経済と健康 2020 7 11

 東京では、最近、
新型コロナウイルスの新規感染者の数が急速に増えています。
 こうした事態に対して、
「また緊急事態宣言が必要ではないか」という声が増えています。
 しかし、それでも緊急事態宣言は出せないでしょう。
前回の緊急事態宣言は、4月上旬だったでしょうか。
 さて、企業の手元資金は、3か月程度と言われます。
手元資金というと、わかりにくいので、
家計においては、「貯金」でしょうか。
 企業によっては、手元資金が1か月程度だった場合もあるかもしれません。
それでも、政府や地方自治体の支援によって、なんとか持ちこたえたのです。
 しかし、このような支援も6月ぐらいが限界だと思います。
これ以上続けると、政府や地方自治体の「倒産」も、あり得るかもしれません。
政府や地方自治体の財源は税収と借金なので、公的な支援には限界があります。
 このような状態で、また緊急事態宣言を出すと、
中小企業どころか大企業も、次々と倒産していく可能性があります。
 新型コロナウイルスも怖いが、
それ以上に怖いのが、経済的な恐慌です。
 もし、経済的な恐慌が始まると、
新型コロナウイルスのことは忘れるほど、混乱に陥るでしょう。
だから、経済を回転させていかなければならないのです。
 しかし、新型コロナウイルス及びそれに派生するウイルスに対して、
全く対策を打たなければ、世界人口の10%が失われるでしょう。
 こうした悲劇を起こさないために、
手洗い励行、マスク着用が必要でしょう。
対面で飲食の場合はフェイスシールドが必要です。
 ところで、若者は、新型コロナウイルスを風邪程度だと思っているかもしれません。
あるいは、「無症状で終わるから、
先に感染して、免疫をつけてしまおう」と思っているかもしれません。
 しかし、万が一、発症してしまうと、後遺症が残る可能性があります。
これは、身体機能だけでなく、脳の機能にも問題が発生する可能性があります。
私は、3月に、「見当識障害」の可能性について書きました。
 見当識障害というと、一般的な言葉でないので、わかりにくいでしょうが、
「認知症に近い」と言うと、わかりやすいでしょうか。
よく言われるのは、時間・場所・人がわからなくなるということです。
 たとえば、「あなたは、今、何階にいますか」と聞くと、答えられないのです。
実は、自分が今いる場所を把握するのは、脳にとって高度な機能です。
これが、年を取ってくると難しくなってくるのです。
 しかし、若い人でも、脳に何らかのダメージを受ければ、
このような見当識障害が起こります。
これは、見当識障害というよりは、「高次脳機能障害」と言ったほうが適切かもしれません。
 そういうわけで、「みんなより先に免疫をつけよう」と考えて、
「免疫獲得パーティー」などに行くのは、自殺行為です。
 そもそも、「自分は無症状で終わった」と思っていても、
精密に検査すれば、身体や脳に何らかの問題が発見されるかもしれません。
 高次脳機能障害は、心理学的検査をしないと発見できません。
さすがに「自分がいる場所がわからない」という状態になれば、誰でも気づくでしょうが、
普通は、高次脳機能障害には、なかなか気づかないものです。
 まだまだ、新型コロナウイルスについては、わからない部分が多いのです。
ウイルスに対する知見が確立するまでは、拙速な行動は避けるべきです。



































































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